【怖い花】ゾッとする花言葉の本当の意味や由来について

花や観葉植物には、すてきな花言葉が託されているものですよね。しかし中には、背筋がゾッとしてしまうような怖い花言葉を持った花も存在することをご存知でしょうか。今回は、花の美しさとは裏腹に、複雑で怖い花言葉を持つ植物をご紹介します。プレゼントで贈ってはいけない花についても触れていますので、花言葉に興味のある方はぜひ最後までご覧ください。

「死」に関連する意味をもつ花


一見すると可憐で美しい花でも死に関する意味をもつものがあるのです。「死」を連想させる花言葉には、色のイメージや言い伝え、植物の性質などさまざまな由来があります。しかしこれらの植物には、良い意味の花言葉もついています。怖い意味の由来を踏まえつつ、良い意味の花言葉とお花の魅力にも注目してみてください。

スノードロップ:あなたの死を望みます

「死」の花言葉は、イギリスの農村に伝わるケルマの伝説が由来です。
ある村に住む少女ケルマは、最愛の恋人を亡くしてしまいます。悲しんだケルマが、採ってきたスノードロップを恋人の胸にのせると、恋人の体は雪の雫となってしまいました。イギリスの一部においてスノードロップは、家に持ち込むと不幸が訪れる、不吉な花とされていたようです。
また、スノードロップの球根には有毒成分が含まれていることから「死をもたらす花」というイメージが定着したとも考えられています。

しかしスノードロップの花言葉は、ネガティブな意味だけではなく旧約聖書が由来となった「希望」や「慰め」の花言葉も有名です。
アダムとイブが寒さで凍えそうな時、天使が現れ、舞い落ちる雪をスノードロップのお花に変えて慰めます。雪の溶け始めた早春に咲くスノードロップは、希望を象徴するお花として愛されてもいるのです。このように、スノードロップの花言葉は、ネガティブな意味とポジティブな意味の両方を併せ持っています。

ハナズオウ:「裏切りのもたらす死」

ハナズオウの「裏切りのもたらす死」という花言葉は、キリスト教十二使徒の一人であるユダにまつわるエピソードが由来と言われています。キリストに裏切りを働いたユダは後悔し、ハナズオウの木で首を吊りこの世を去ったといわれ、欧米ではユダの木と呼ばれています。

スイレン:滅亡

スイレンは古代ギリシャやエジプトをはじめ、マヤ文明や仏教にも登場し、さまざまな信仰の対象となってきました。花言葉の由来は神話や伝説に関係していると考えられています。

ギリシャ神話の英雄ヘラクレスに恋をした水の妖精ニンフは、晴れて恋人同士になれたものの、身分の違いを理由にヘラクレスにひどく捨てられてしまいます。悲しんだニンフはナイル川に身を投げ、そこからスイレンが咲きました。ニンフの悲しみから、「滅亡」の花言葉がつけられたと言われています。

ほかに、スイレンを太陽のシンボルとしていた古代エジプトが、やがて滅んでしまったことが由来とする説もあります。また仏教では蓮の花が極楽浄土の象徴とされるのに対して、睡蓮は迷いの世界を彷彿させるものとして扱われています。

睡蓮の持つ「滅亡」という花言葉は、その神秘的で儚い美しさと同時に、死や終わりを連想させることから生まれたのかもしれません。ポジティブな意味の花言葉には、「純粋」「清浄」「無垢」があります。

 

「裏切り」を表す花


「裏切り」の花言葉は意外と多く、神話や宗教が由来になっているものが多く見られます。
ここでは、「裏切り」を表す花言葉を持つ代表的な花をいくつか紹介します。

黄色いカサブランカ:裏切り

海外で黄色の花は「別れ・裏切り」を象徴するとされており、中でも黄色いカサブランカは、大きな花と強い香りで人の心を惑わすと恐れられていました。

また黄色いカサブランカには、アルカロイドという毒が含まれており、大量に摂取すると幻覚や意識障害を引き起こすことが知られています。そのため、黄色いカサブランカは、愛する人に贈る花としてふさわしくないとされています。

月桂樹:裏切り・不信

月桂樹は、地中海沿岸地方を原産とするクスノキ科の常緑樹で、ヨーロッパにおいて月桂樹は、太陽神アポロンの聖樹と言われています。
「裏切り」「不信」という花言葉の由来は黄色のお花が咲くこと。黄色はキリストを裏切ったユダの色で、ヨーロッパでは「裏切り」を象徴する色です。

しかし古代ギリシャでは、英雄や勝者に月桂樹の葉で作った冠を授けたため、「栄光」「勝利」「名誉」の花言葉もついています。現代のオリンピックで、月桂樹の冠を見たことがある人も多いのではないでしょうか。

月桂樹は丈夫な性質で、人気の庭木です。花言葉の由来を知ると「勝利」の意味合いが強く、家の繁栄を願う木としてふさわしいと言えるでしょう。

 

恋愛に関する怖い花言葉


もともと花言葉は、恋文のように贈り合う習慣から生まれた文化です。そのため、恋愛に関する花言葉がたくさんつけられています。怖さよりも、切なく悲しい花言葉が多めです。良い意味の花言葉がある植物もありますが、誤解を招かないためにも、恋人のプレゼントには避けた方がいいかもしれません。

ラッパスイセン:「もう一度愛して」「報われぬ恋」

ラッパスイセンの花言葉の由来となったのは、ギリシャ神話に登場する冥界の王ハーデスの話です。

ある時ハーデスは、豊作の女神デメテルの娘ペルセポネに一目惚れし、ペルセポネをラッパスイセンの甘い香りで誘い込んで冥界へさらってしまいました。娘に会えなくなったデメテルの悲しみを表して、ネガティブな花言葉がついたそうです。黄色のスイセン全般にも同様に、「もう一度愛して」「報われぬ恋」の花言葉がついています。

なお日本では、スイセンは春の訪れを告げる良い香りのお花として、縁起が良いとされています。中心部の濃い黄色が鮮やかで、華やかさのあるラッパスイセンは人気の種類です。

黄色のカーネーション|「嫉妬」「侮蔑」「軽視」

カーネーションに限らず黄色のお花には、「嫉妬」や「裏切り」に関する花言葉がしばしば見られます。
黄色が「嫉妬」「裏切り」と言われるのは、キリストを裏切ったユダの服が黄色だったことが由来です。中世の西洋では異端者に黄色の服を着せたり、罪人の家を黄色く塗ったりと、黄色は差別を表す色として使われました。

またカーネーションは、キリストが十字架にかけられた時にマリアが流した涙から生まれたと言い伝えられるお花です。キリスト教と縁の深いお花だったため、黄色のカーネーションの花言葉にもキリスト教の影響が強く出ているのでしょう。

現在は西洋でも黄色のネガティブな意味合いは薄れ、幸福など明るいイメージで使われることが多いようです。気にしない人も増えていると言われますが、キリスト教圏の方へのプレゼントには控えた方がいいかもしれません。

アネモネの花言葉「見放された」「はかない恋」「恋の苦しみ」

アネモネは、ヨーロッパ南部から地中海東部沿岸地域が原生地であり、多年草の仲間です。アネモネは「あなたを愛します」という情熱的な花言葉がある一方で「見捨てられた」「はかない恋」「恋の苦しみ」といった花言葉を持ちます。アネモネの花言葉の由来は、以下2つのギリシャ神話が元になっているようです。

1.女神アフロディーテの神話

キューピットから矢を受けて、女神アフロディーテは、美少年アドニスと恋に落ちます。しかしながら、アドニスは狩りの途中に不慮の事故で亡くなってしまいました。彼の死に悲しんだ女神アフロディーテの涙やアドニスの血から咲いた花がアネモネになったと言われています。

2.ゼフィロスの神話

西風の神であるゼフィロスは、花の女神であるフローラと結婚していました。しかし、フローラの侍女である妖精アネモネに恋をしてしまい、フローラに禁断の愛がバレました。そのため、ゼフィロスは、アネモネを一輪の花に変えたとされています。そのため、怖くて悲しい花言葉を持つお花として世の中に知れ渡ってしまったようです。

 

「復讐」を示す花


復讐を意味する花言葉を持つ花には、どのようなものがあるのでしょうか?

クロユリ:復讐・呪い・憎悪

クロユリは、その神秘的な美しさとは裏腹に「復讐」「呪い」「憎悪」といった恐ろしい花言葉を宿しています。

この花言葉の由来は諸説ありますが、中でも有名なのがクロユリ伝説です。
戦国武将の佐々成政が側室の早百合の密通を疑い、殺害してしまいます。最期に早百合は、「立山にクロユリが咲いたら、佐々家は滅亡する」と呪いの言葉を残したため、「呪い」や「復讐」の花言葉がつけられました。
またヨーロッパでは中世から黒魔術の儀式で用いられ、さらにその毒性から暗殺に使われたという逸話も残っています。

黒いバラ:憎しみ・あなたを呪う・恨み

バラは愛の象徴であり、恋愛に関する花言葉が多くつけられており、それぞれの色のバラにイメージに合った花言葉がついています。

その中で黒いバラの花言葉は強い負の感情を表現しており、これは黒いバラがヨーロッパでは悪魔や悪の象徴とされてきたことに由来すると言われています。しかし黒いバラは、実際は黒赤色、深紅色とも言われるような濃い赤色で、完璧な黒ではありません。その神秘的な美しさから古くから人々を魅了してきました。落ち着いた印象が好まれてプロポーズに使われることがあるため、「永遠の愛」「あなたは私のもの」という花言葉もついています。

トリカブト:復讐

トリカブトの根や茎には猛毒が含まれており、誤って口にすると死に至ることもあります。そのことから、古代から矢じりや毒殺の薬として用いられてきました。またトリカブトの花はその美しさとは裏腹に、不吉な印象を与えると言われています。その独特の形と暗い色は、死や呪いなどを連想させ、復讐の象徴たる所以となっています。

さらにトリカブトには、いくつかの不吉な言い伝えがあります。

・トリカブトの花を摘むと、その人の恋人が死ぬと言われている。

・トリカブトの毒は、相手の魂を奪うと言われている。

・トリカブトの根を枕元に置くと、悪夢を見るという。

人々はトリカブトの恐ろしい力を恐れ、様々な言い伝えを作り出したのでしょう。

 

プレゼントで贈ってはいけない花


怖い花言葉を持つ植物をご紹介しました。なんだか背筋が寒くなってきましたね。さて、ここからはプレゼントで贈ってはいけない花についてご紹介しようと思います。フラワーギフトを選ぶ際のマナーにあたるものなので、ぜひ参考になさってください。

毒性のある花

種類にもよりますが、毒性のある花は嫌がられることもあります。中でも、トリカブトやジギタリスは、摂取すると命を落としてしまうほどの強い毒があるため注意しましょう。とくに、小さなお子さんやペットのいるご家庭には、誤飲を避けるためにも毒性のない花を贈るようにしてください。

花首から落ちてしまう花

椿やハイビスカスのような、花が落ちる花もプレゼントには不向きです。椿やハイビスカスは、開花してしおれてくると、花首から花蕾がボトッと下に落ちてしまいます。これが斬首を想像させるとして、縁起が悪いと考える方もいらっしゃいます。気にしないという方もいらっしゃいますが、念の為とくにご年配の方には、椿やハイビスカスなどを贈るのは控えるようにしましょう。

お見舞いの花の場合、鉢植えはNG

お見舞いとして花を贈る場合、鉢植えをプレゼントするのはマナー違反です。これは、鉢植えの花が「根がつく」として、「寝付く」を連想させるためです。縁起が悪いものなので、お見舞いに鉢植えを贈るのはやめましょう。ただし、最近では胡蝶蘭の鉢植えなどをお見舞いに贈る方もいらっしゃいます。どうしてもお見舞いに鉢植えを贈りたい場合は、先方に贈ってもよいかどうかを確認しておくと安心ですね。

まとめ

怖い花言葉を中心に、プレゼントで贈ってはいけない花についてもご紹介しました。本当に怖い花言葉からちょっと切ない花言葉まで、さまざまなものがありましたよね。ただし、今回ご紹介した花には、それぞれポジティブな意味合いの花言葉がつけられていることもあります。フラワーギフトを贈る際は、よい意味の花言葉も調べてみてくださいね。