和室に観葉植物を飾ってみたいけど、どんな種類の植物を選んで、どう飾ればいいか分からないという方はいませんか?リビングや寝室などの洋室や玄関といった場所に観葉植物を置くケースは多いですが、実は和室においても観葉植物との相性は抜群です。今回は、床の間や畳といった和室ならではのアイテムに合う観葉植物の選び方と、おすすめの種類について紹介します。個性的な和室づくりのヒントにしてみてください。
目次
和室の特徴
利便性
土地が狭い日本において、自在に使える和室は生活に寄り添った部屋として重宝されてきました。現在の住宅事情においても、自由自在に使える汎用性の高さから、和室が一部屋あれば何かと安心です。
・こたつを置けば居間に、布団を敷けば寝室になる
・洗濯物をたたむなどのちょっとした作業スペースになる
・親戚や友人が来た時は来客スペースとしてそのまま宿泊もできる
・床が柔らかいので安心してこどもを遊ばせられる
床座タイプ
和室は、ソファやチェアに座って過ごす洋室とは違って、基本的に畳の上に直接座って過ごす「床座」タイプの空間です。そのため洋室よりも視点が低く、視界が洋室よりも狭いという特徴があります。
また、最近は簡易的な構成の和室も増えていますが、和室のしつらえとしてやはり外せないのは床の間です。床の間にもっとも近い位置が上座として扱われるように、床の間は和室の中で格式を意味するスペースであり、掛け軸や季節の花を飾って四季の趣を演出することができます。
余白を楽しむ
和室は「わび」「さび」という日本独特の価値観を楽しむ空間でもあります。あえてなにも置かない、何も描かない場所が、見る人に余韻や解放感を与える効果があり、空間的な間を作ることで余白を美しく見せるのです。
観葉植物を飾る際も、左右もしくは上部にあえて余白を残すように意識すると洒落た雰囲気を出せるでしょう。
和室に置く植物選びの基本
葉っぱの色は深緑系のものを選ぶ
実際に植物を飾る和室の色合いにもよりますが、基本としては、葉っぱの色は深い緑色のほうが和室にはおすすめです。というのも、和室は色味の抑えられた配色で作られていることが多く、あまりに鮮やかな色の葉っぱの植物を選ぶと、ミスマッチを起こす可能性があるからです。
間隔を広めにとれるようなサイズ選びを心がける
1鉢の観葉植物を置く場合でも、壁や柱との間隔をあけてシンプルに飾るのがおすすめです。モノとモノの間隔が詰まるほど、圧迫感が強くなり、和室の静けさを壊してしまう場合もあります。
和室におすすめの観葉植物
ここからは、和室におすすめの観葉植物をご紹介します。それぞれのお部屋のテイストに合った植物を選んでくださいね。
アンスリューム
光沢のあるハート形の苞(ほう)と、棒状の花序がユニークで印象的です。個性的な美しさを持つアンスリュームは、和風・洋風どちらの雰囲気にも合う植物です。
パキラ
パキラは空気をきれいにする効果がある植物です。成長が早く乾燥にも強い、そして害虫の被害も比較的少ないので管理が楽という事で人気があります。
ウンベラータ
ウンベラータ(umbrllata)の名前の由来はラテン語の『日傘』からきています。
その名の通り丸くて大きい葉が軽やかに広がる様はとても魅力的です。
ユッカ
パワフルに天に向かってまっすぐ伸びる葉姿は、成功と発展の象徴とされています。幅をとらず狭い場所で置くことができ、丈夫で育てやすいのでギフトにもとても最適です。
ユッカ 青年の木 10号鉢
耐寒性が強く、気温を2~3℃保てる場所であれば冬を越すことができます。乾燥にも強く、とても育てやすい観葉植物です。日光を好みますので、積極的に当ててあげると元気に育ちます。開店祝いや新築祝いなど、法人・個人問わず贈り物としても人気があります。
モンステラ
ボリューム感もあることから、インテリアのアクセントにはうってつけです。つる性ならではの樹形もユニークで、つるや根っこを何本も伸ばして成長する特性をいかし、アートな雰囲気を演出できます。切り花のように葉をカットして一輪挿しで飾るのもオシャレです。
飾り方
台や鉢スタンドを使って和室を広く見せる
和室で使用する家具は、ローテーブルなどの背の低い家具が多いです。家具の高さが低い場合は、観葉植物を高さのある台の上や、鉢スタンドを使って飾ると、部屋が散らかったように見えず、空間が広く感じるようになります。また、視点の高さが上がれば、観葉植物が部屋のアイポイントになり、印象深い和室になります。
小さい植物を複数置く場合は、箇所をまとめる
和室だけではないですが、小さいサイズの観葉植物を複数置く場合は、できるだけ1つの置き場にまとめて置くことをおすすめします。特に和室は空間の「間」「余白」が大事なので、方々にごちゃごちゃと植物を置くことはセオリーに反します。特に意図がなければ、1つの箇所にまとめておいた方が雰囲気を演出できるでしょう。
畳とのバランスを考える
前述したように、和室は「床座」タイプの空間であり、視点が低いので、床面である畳が視界に入りやすいです。そのため畳の上に観葉植物を置くなら畳のサイズとのバランスを上手に取ることが大切です。一般的なサイズの畳を敷いた和室の場合は、比較的大ぶりで背の高いタイプの観葉植物を合わせるとダイナミックな印象を与えられます。対して最近マンションでも増えてきている正方形の畳を敷いた和室の場合は、畳1枚のサイズが小さいため観葉植物も小さめサイズを選びましょう。畳も見せるインテリアの一要素ですから、観葉植物で隠れる面積は1枚の半分以下に押さえておくとすっきりします。
床の間を活用するのなら
床の間に植物を置く場合、掛け軸を飾らないなら背の高い縦に伸びる植物を選んでください。掛け軸を飾るときは、正面から見たときに掛け軸と高さが重ならないような植物を選ぶといいでしょう。「余白」や「間」を意識して飾ってくださいね。
鉢との組み合わせ
飾った時の全体的なバランスと与える印象を考えながら、観葉植物と鉢の組み合わせを選ぶことが重要です。陶器の鉢は重厚感があり、土本来の質感が自然とのつながりを感じさせますので、落ち着いた雰囲気を出したいなら苔玉やミニ盆栽などと合わせるといいでしょう。モダンな雰囲気を出したい場合はガラスの鉢もおすすめです。涼やかな印象を与えるため、湿気が多く蒸し暑い夏場にシンプルなデザインの観葉植物と組み合わせると季節感が出せます。
自然素材をプラスして使う
和室に置く観葉植物を、より和風っぽく表現したい場合は、苔や石などの自然素材を使ってみましょう。石や流木の鉢植えや、苔を鉢表面に敷き詰めた盆栽などが、和風っぽさを強く感じられます。鉢の表面に石や砂利を敷き詰めて、土を隠すだけでも趣が生まれます。部屋が和モダンテイストの場合は、苔玉のようにハンギングで飾ったり、壁掛けにして1つのアートのように仕立てるのもおすすめです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。洋室に飾るイメージが強いものの、自然素材という視点から考えると実は和室との相性もいい観葉植物。床座スタイルで視点が低い和室にアクセントを加えるには、観葉植物はとても活用しやすいアイテムと言えます。高級感、癒し、モダン…好みの和室の雰囲気に合うスタイルの観葉植物をコーディネートして、さまざまな印象を演出して楽しんでみてくださいね。