誕生日は、家族や友人、恋人に感謝や愛情を表現する絶好の機会です。そんな特別な日に、心のこもったプレゼントとして定番なのがお花です。 花束やアレンジメント、さらには観葉植物も、贈る相手の個性に合わせて選べば、忘れられない贈り物になります。ただし、相手によっては好みや生活スタイルが違うため、どんなお花を選ぶべきか悩むこともあるでしょう。今回は家族、恋人、友人など贈る相手ごとにおすすめのお花を紹介し、誕生日にぴったりのプレゼント選びのヒントをお届けします。
目次
花を贈るということ
みなさんは花束をもらったことはありますか?もしくは、渡したことはありますか?日本の文化では、日常的に「花束を贈る」という行為が、慣習として根強いものではないと思います。そのため、花束を貰ったり渡したりしたことが「ない」と答える方も多いはず。逆に「ある」と答えた方は珍しい経験をされていて、とても素敵です!花束はプレゼントの定番として定着していますが、そもそもなぜ人々は花を贈るようになったのでしょうか?
起源
花に意味や気持ちを込めるなど、お花自体に何か他の価値を込め始めたのは、古代ギリシャやエジプトにまで遡ることができると言われています。この時代には花を贈る対象といえば、神々や儀式的なものであったようで、今の時代とはまた少しイメージが違いますが、はるか昔から人々はお花に想いをのせていました。
人々が、もっと身近な相手に向けて花を贈るのが一般化されたのはもう少しあとのことで、「花言葉」という概念が1700年代にトルコのあたりで発見されてからです。トルコでは、手紙や言葉ではなく、花に思いを託して相手に贈るという風習がありました。この風習がフランスや英国の人々によってヨーロッパに広まり、ビクトリア朝(1837年-1901年)の時代には、感情を表に出して表現することがマナーとして良くないこととされていたため、意味を込められる花はコミュニケーションにおいて多く利用されました。
このような時代背景もあり、花を渡すことで自分の気持ちを誰かに伝える、ということがヨーロッパに広まったようです。
日本での歴史はまだ浅い
日本では、明治初期頃にイギリスを中心に西洋から花言葉が伝わりました。また、江戸後期から明治にかけては、いけばなは日本女性のたしなみの一つとされてきました。花束で使われるようなフラワーアレンジメントとは根本的に違うものですが、日本を代表する、伝統的なお花の楽しみ方ですよね。
一般の人々の間でも花を贈るという行為が行われるようになったのは、戦後欧米文化が日常に入り混じるようになってからです。
「花をもらったら嬉しい」という方が大多数
あるアンケートでは、女性の80%が「花をもらったら嬉しい」と回答しています。さらに誕生日に花束をプレゼントされて「嬉しい」と回答した方は、全体の79.3%でした。 誕生日に花束を贈れば、ほとんどの女性が喜んでくれるということがわかります。日本では日常的に「花束を贈る」という行為が、慣習として根強いものではないからこそ、もらうと特別感がありますし、相手に大事に思われていると感じられるからではないでしょうか。
どちらかというと花をもらう機会が少ない男性からも、「普段もらう機会がないので嬉しい」「気持ちが伝わる」などの理由から、花の贈り物を喜ぶ声が聞かれます。イベントやお祝いは頻繁にあるものではありませんし、その少ない機会の中でもらえるのは、男性にとってもとても特別なことかもしれません。
誕生日に贈りたい、おすすめのお花
花は誰に贈っても喜んでもらえることがわかりました。ここからは、プレゼントする花を選ぶ際の具体的なヒントをお伝えしていきます。
誕生花をプレゼントする
誕生日プレゼントにおすすめの花は、相手の生まれた月の誕生花です。生まれた月によって、それぞれ誕生花があります。国や地域によって多少の花の違いはありますが、多くがその月の旬の花や、人々に長らく愛されてきたお花です。季節感があり花屋で比較的手に入れやすく、それぞれプレゼントにぴったりの素敵な花言葉を持っています。日本における、各月の一般的な1月~12月までの誕生花と、それぞれの花言葉は以下の通り。花言葉は広く知られている代表的なものなので「自分の生まれた月の花や花言葉はこれだったのか」という新たな気づきから、お祝いの場での会話もはずみそうです。
●1月の誕生花 スイートピー
花言葉:「門出」「永遠の喜び」「優しい思い出」
●2月の誕生花 チューリップ
花言葉:「思いやり」「永遠の愛」
●3月の誕生花 ガーベラ
花言葉:「純潔」「希望」「常に前進」
●4月の誕生花 カーネーション
花言葉:「女性の愛」「母への愛情」「純粋無垢な愛」
●5月の誕生花 ピンクのバラ
花言葉:「上品」「可愛い」「愛」「愛の誓い」
●6月の誕生花 アジサイ
花言葉:「はにかみ」「乙女の愛」「辛抱強い愛」「家族のきずな」
●7月の誕生花 ユリ
花言葉:「純粋」「無垢」「威厳」
●8月の誕生花 ヒマワリ
花言葉:「あなただけを見つめる」「栄光」「憧れ」
●9月の誕生花 リンドウ
花言葉:「正義」「勝利」「高貴」
●10月の誕生花 トルコキキョウ
花言葉:「優美」「すがすがしい美しさ」「希望」「思いやり」
●11月の誕生花 ダリア
花言葉:「エレガント」「栄華」「気品」
●12月の誕生花 赤いバラ
花言葉:「愛」「美」「情熱」
家族に贈るお花
ここからは、贈りたい相手別におすすめのお花をご紹介していきます。
お母さんに贈るお花
お母さんに贈るお花として最もポピュラーなのが、カーネーションです。 特にピンクのカーネーションは「感謝」や「母性愛」を象徴し、誕生日に贈るお花として定番です。 カーネーションは母の日の象徴ともされていますが、誕生日もその感謝の気持ちを伝えるのに最適な日です。
そして、バラもお母さんへの贈り物にふさわしい花の一つ。 ピンクのバラは「感謝」や「優雅さ」をあらわし、赤いバラは「愛」や「尊敬」の意味があり、エレガントな雰囲気が特別感を演出してくれます。他には蘭も「美しい淑女」や「優雅」をあらわすため、おすすめのお花です。
お母さんがナチュラルな雰囲気を好む方であれば、リラックス効果のあるラベンダーやスイートピー、ガーベラなども良いでしょう。
さらに、観葉植物も人気です。例えば、モンステラやフィカスなどの手入れが簡単で長く楽しめる観葉植物は、お母さんのリビングやキッチンを彩るインテリアとしても喜ばれます。植物の成長を守る楽しみがあり、生活空間に癒しを贈ります。
お父さんに贈るお花
男性への花の贈り物には、落ち着いた色合いや、手入れが簡単な植物が特に喜ばれる傾向があるので、お父さんに贈るお花としては、シンプルで力強さを感じさせるデザインや、長く楽しめる観葉植物がおすすめです。また日本では家族の愛情や尊敬を表す「黄色」が父の日のイメージカラーとされており、父の日には黄色いバラの花を贈る方もいらっしゃいます。
観葉植物のなかでおすすめしたいのが、モンステラやサンスベリア、フィカス・ウンベラータやアロエベラなど。丈夫で育てやすく、リビングや書斎のインテリアとしても使えます。
おじいちゃん・おばあちゃんに贈るお花
おじいちゃん・おばあちゃんが主役のイベントといえば、お誕生日や敬老の日がありますが、特に還暦をはじめ、年齢の節目を祝うイベントの際には花束やアレンジメントがぴったりでしょう。
基本的には、おじいちゃん・おばあちゃんが好きな花をメインにして、相性のいい花や縁起のいい花言葉を持つ花を組み合わせるのがおすすめです。誕生日の季節を意識して、その季節らしい旬の花を選んでも素敵です。
おじいちゃん・おばあちゃんへのプレゼントにふさわしい花言葉を持つ花
「感謝」…ピンクのバラ、ピンクのガーベラ、白いダリア、カンパニュラ、カスミソウなど
「尊敬」…白いバラ、サルビア、ゼラニウムなど
「健康」「元気」…黄色いマリーゴールド、ユウゼンギク、ディモルフォセカなど
誕生日祝いの中でも、60歳の還暦を境に訪れる長寿祝いには特別感のある花束を贈りたいですよね。
さらに、80歳の傘寿(さんじゅ)や88歳の米寿(べいじゅ)、90歳の卒寿(そつじゅ)などの長寿祝いがありますが、それぞれ基調色というものがあり、一般的には傘寿と米寿は黄色、卒寿は紫色となっています。傘寿や米寿では黄色やオレンジのバラなど、卒寿でも紫色のバラやラナンキュラスなど、基調色をメインにまとめられた花束を贈るのが定番です。しかし、基調色はあくまでも一般的な考えですので、こだわりすぎる必要はありません。おじいちゃん・おばあちゃんの好みや思い入れのある花を取り入れても素敵です。
妻・夫に贈るお花
結婚相手への誕生日プレゼントとしても、お花はとても人気があります。奥様には、ボリュームのある華やかなアレンジメントや、好きな花で構成された花束が喜ばれますよ。シンプルで吟味されたユリやガーベラの花束は、男性にも人気があります。 さらに、モダンなデザインの観葉植物もおすすめです。観葉植物は、スタイリッシュで、リビングや書斎などにディスプレイもできます。
兄・弟に贈るお花
兄弟に贈るお花は、比較的、派手すぎず、落ち着いたデザインが好まれますが、個性を引き出せる選び方もおすすめです。インテリアになるブリザードフラワーやドライフラワーがスマートで人気があります。
また、お手入れが簡単な観葉植物もセンスの良いプレゼントです。モンステラやフィカス・ウンベラータなど、お手入れが簡単ですし、サボテンやエアープランツなども手間がかからないので、おすすめです。
姉・妹に贈るお花
姉妹に贈るお花は華やかさや女性らしさ、可愛らしさを感じさせるものが特に喜ばれます。
最近人気のナチュラル系くすみカラー花束もおすすめです。お花の種類としては、バラ、カーネーションやダリアなど、プリザーブドフラワーなどもおすすめです。また、シンプルでありながら可愛らしさを大切にしたお花のチューリップや、エレガントで高貴な印象を与えるユリもおすすめです。
恋人に贈るお花
恋人に贈るお花は、特別感が重要です。 赤いバラは、愛と情熱を象徴し、ロマンチックな贈り物で最も定番です。 さらに、白やピンクのバラも、柔らかさや優しさを表現としての最適です。フラワーアレンジメントに、恋人の好きな色や香りを取り入れることで、よりパーソナルな贈り物になります。他、カーネーション(無垢で深い愛情)、ガーベラ(希望・前進)、ひまわり(あなただけを見つめる)、ユリ(純粋)などといった花言葉からセレクトしてもいいかもしれません。
もし恋人が植物を育てるのが好きな場合、観葉植物を贈るのもひとつです。モンステラやエアープランツなどのお手入れが簡単なものを選ぶとよいでしょう。
サプライズを演出するために、プレゼントにお花を添えると、さらに特別な日となります。
友達・同僚に贈るお花
友達・同僚への誕生日プレゼントとして、忙しい日々を送っているようなら、エアープランツやサボテンなど、お手入れが楽な植物が喜ばれるでしょう。これらの植物は、おしゃれな雰囲気を演出するインテリアとしても重宝しますし、毎日成長を見守ることができます。
花束やアレンジメントであれば、ミモザ(友情)、ライラック(大切な友達・思い出)、 キク(あなたはとても素晴らしい友達)、ゼラニウム(真の友情)、ジニア(絆・友への思い)、トルコキキョウ(よい語らい・感謝)、カスミソウ(感謝・親切)、カンパニュラ(感謝・友情)の花言葉と季節に合わせてセレクトするのもおすすめです。
観葉植物をプレゼントに選ぶ際のポイント
観葉植物は、長く楽しめる贈り物として人気があります。 特に、お花が枯れてしまうのが心配な方や、植物を育てるのが初めての人でも扱いやすい種類が豊富です。 例えば、ドラセナ・マッサンゲアナ(幸福の木)やパキラやユッカ、フィカス・ウンベラータ・アレカヤシなどは、手入れが少なく済み、インテリアにもマッチしやすいです。
観葉植物を選ぶ際には、贈る相手の生活環境やインテリアのスタイルを考慮することが重要です。また、鉢のデザインにもこだわりを持つことで、相手にとって特別な贈り物となります。デスクやリビングに飾るのに最適で、長く楽しめるため、誕生日プレゼントにぴったりです。
まとめ
誕生日に贈るお花は、相手の好みや性格に合わせて選ぶことで、感動を与えるプレゼントとなります。 花はいつか枯れるものですが、込められた想いはずっと残るものだと花ざかりは信じています。家族や恋人、友人それぞれにふさわしいお花を選び、感謝や愛情を伝える素敵なギフトで、特別な誕生日を一層華やかに演出してくださいね。