大切な人や取引先へのお祝いを贈るとき、暦は気になりますよね。
日本には古来から伝わる暦が複数あります。ひとつの暦で「縁起が良い日」だと思ったら、別の暦では「何をするにも適さない凶日」だったなんてことも……。今回は、どの暦でも「縁起が良い」とされている日の中から、お祝いシーンごとに最適な吉日をご紹介します。
目次
六曜(ろくよう・りくよう)
六曜(ろくよう / りくよう)とは、毎日の吉凶(縁起の良し悪し)を占う際の考え方です。
六曜の起源については諸説ありますが、中国で誕生したとされています。日本へは14世紀(鎌倉時代)に伝わったとされており、江戸時代に流行しました。
その後、明治時代に社会が西洋化する中で、「暦注は迷信である」として使用を禁止された歴史があります。第二次世界大戦が終わると政府による六曜の統制が解除されますが、今なお六曜の使用に関しては賛否両論あるのが事実です。
なお、六曜には「仏滅」「友引」のように仏教との関連を匂わせる言葉が使われますが、実は仏教、新道をはじめ宗教とは一切関係ありません。
大安(たいあん)
六曜でもっとも縁起のいい日です。「縁起が良い日=大安」というイメージを持っている方も多いでしょう。「大いに安し=何をやってもうまくいく」ということから、結婚式や入籍の日取りでもっとも人気があります。
友引(ともびき)
大安の次に縁起がいい日とされています。「友を引く=幸せのおすそ分け」という意味になり、幅広いお祝いごとに人気の日です。一方で「勝負の決着がつかない良くも悪くもない日」ともされていて、受験など勝負事の祈願には向きません。また「友を引く=故人が友を冥土に引き寄せる」という意味も読み取れてしまうため、葬式などの凶事をするのはよくありません。
先勝(せんしょう・さきがち・せんがち)
「先んずれば即ち勝つ=急いで行動するのが吉」とされている日です。午前中は吉ですが、午後になると一転して凶となってしまいます。先勝の日にお祝いを渡すなら午前中にしましょう。
先負(せんぶ・せんまけ・さきまけ)
先勝とは逆に「先んずれば即ち負ける=急用は避けるべき日」とされている日です。午前中は凶ですが、午後からは吉となります。
仏滅(ぶつめつ)
六曜の中でもっとも縁起が悪いとされている大凶日です。「何事も遠慮する日、病めば長引く、仏事はよろしい」と言われ、お祝いごとには適しません。
赤口(しゃっこう・しゃっく)
仏滅と同じく、どんなお祝い事にも適さない凶日です。
例外として午の刻(11時~13時)の間だけは吉とされています。赤や火や血を連想させことから、火の元、刃物に注意すべき日とされています。
仏滅はなぜ避けられるのか
仏滅の日は結婚式・入籍などのお祝い事を避ける傾向があり、何となく知っている方も多いかもしれませんね。
読んで字のごとく、仏も滅びるほどの悪い日という意味を持っており、基本的に1日中何をするにも凶と言われている日です。
しかし中国では元々、仏滅は「空亡/虚亡」と表記されていて「仏も滅びるほどの大凶日」という考えはありませんでした。日本で六曜が民衆の間で広く使われるようになった江戸時代から現代に至るまでに、「空亡/虚亡」が「全てが虚しい」「全てが無になる」という連想から「物滅」となり、それが「仏滅」へと変化して「仏も滅びるほどの大凶日」と捉えられるようになったのです。
仏滅に限らず、六曜の他の日も科学的根拠があるわけではなく、それぞれ時代と共にさまざまな解釈が追加され、漢字表記や意味が少しずつ変化し現代の意味になりました。
選日(せんじつ)
選日(せんじつ)は、暦注のどのカテゴリにも属さないものの総称です。「撰日」とも記載することがあり、別名「雑注(ざっちゅう)」と呼ばれています。
選日は中国が発祥の陰陽五行説(いんようごぎょうせつ)に基づいた「十干十二支(じっかんじゅうにし)」の日干支を元につくられました。吉日・凶日を判断するもので、その日の干支によって決まります。9種類あるもののうち、縁起のよい日とされているのは「天一天上」「一粒万倍日」の2種類です。
天一天上(てんいちてんじょう)
「地上に降りた神様が天上に帰る」という意味で、どちらに進んでもよい=引っ越しや旅行に吉とされています。これは「方忌み(かたいみ)」といって、神様がいる方角に向かって事を起こしたり進んだりすることを避けるという平安時代の風習にちなんだものです。
- 5月29日~6月13日、 7月28日~8月12日、9月26日~10月11日、11月25日~12月10日
一粒万倍日(いちりゅうまんばいび/にち)
一粒万倍とは「一粒の種もみが万倍にも実る」という意味です。選日の中では、なにをするにも最高の吉日とされていて、仕事始め・開業・種まき・新しい趣味など、なにかを「始める」のに最適な日とされています。ただし、人からお金や物を借りる場合は、負担も同じように倍増するとされているので注意しましょう。ほかの吉日と重なると良い効果が倍になり、一方で凶日と重なると縁起の悪さが倍増するといわれているのが特徴です。
- 6月 11日、22日,23日
- 7月 5日,8日,17日,20日,29日
- 8月 1日,11日,16日,23日,28日
- 9月 4日,12日,17日,24日,29日
- 10月 6日,9日,12日,21日,24日
- 11月 2日,5日,17日,18日,29日,30日
- 12月 14日,25日,26日
暦は強く気にするべき?
歴というのは、気にしない方は気にしませんが、気にする方は気にします。
そのため、基本的には、一番ポピュラーな六曜を互いに理解している前提で、贈る日や時間帯を意識して贈りましょう。
「大安」→「友引」→「先勝」→「先負」→「赤口」→「仏滅」の順で縁起が良いとされています。
結婚、出産、新築などのお祝いにお花を贈るときは、「大安」または「友引」に相手が受け取れるようにするのが適しています。 相手の希望や行事開催日などの関係で、「先勝」や「先負」の日に届ける場合は、凶とされる時間帯を避けるようにしましょう。
ただし、開店や開業、就任などのお祝い事の日が、たまたま赤口や仏滅など縁起が良くない日に執り行われるのであれば、六曜は気にせず、その日に合わせて贈るようにします。
暦が気になる場合の、こんな時はどうする?
Q:お届け先が受取希望する日が暦上良い日ではなかったら?
受取人が希望しているのですから、その日に贈るのがベストです。
お相手は六曜を気にしないのかもしれません。
もしよければ、「その日は仏滅だけど、いいの?」と尋ねてみるのも良いかもしれません。
Q:結婚祝いを贈るのに適したお日柄は?
冠婚葬祭を執り行う場合、その日程は先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口の6種類からなる「六曜」を重視することが少なくありません。結婚式を挙げるときは大安が特に吉日とされ、式場の予約も大安の日から順に埋まっていきます。そのため、結婚祝いを贈る日も「大安」もしくはその次に吉日とされている「先勝」の午前中がよいとされます。ちなみに、葬儀を挙げる上で避けられる「友引」は、結婚に関しては吉日となります。。
Q:内祝いを渡すのに最もふさわしい日は?
一般的には何をするにも縁起が良いのは大安ですが、内祝いを渡すのに最もふさわしいのは「友引」であると言われています。友引には「親しい人を幸せなことに引き寄せる」という解釈や「幸せを分かち合う」という解釈があるため、内祝いの本来の意味である「幸せのおすそ分け」にも通じています。
内祝いは今でこそお祝いのお返しという位置づけですが、本来は、親族や日頃お世話になっている方に対して、家庭の中(=内)で起こったおめでたい出来事について幸せのおすそ分けをすることを目的としたものでした。内祝いを渡す日に友引を選ぶということは、周囲の人と幸せを分かち合うことにつながるため、非常に縁起が良いとされます。大安にはない特別な意味をもつ友引は内祝いを渡すのにぴったりな日ですよね。
Q:お祝いの品を郵送する場合は、いつを吉日にすればよいでしょうか?
購入する日・配送する日のどちらかを吉日にすればOKです。先勝・先負など、時間帯によって吉凶が変わる日に配送する場合は時間指定もしておくといいでしょう。とはいえ、お相手の都合によっては手配した日時に受け取れないかもしれません。万全を期すなら、プレゼントを購入した日を吉日にするといいでしょう。
花ざかりでは、お昼11時までのご注文で翌日お届けが可能です。(ただし一部地域、一部商品を除く)急ぎで送りたいお祝いの品は、ぜひ花ざかりにお任せください。
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まとめ
今回はお祝いの品を贈るさいに最も適している日、六曜や選日のそれぞれの意味についてご紹介しました。
たいせつな人にお祝いを贈るにあたって、縁起の良い日にこだわってみてはいかがでしょうか。