桜が咲く春の季節を迎えると、会社の中では人事異動などがあります。
栄転の際は、「今までの実績を称える」「これからのさらなる飛躍を応援する」等の意味を込めて、お祝いをする習慣があります。
しかし栄転のお祝いにはルールやマナーがあることをご存知でしょうか。
今回は栄転祝いにふさわしいお花のプレゼントをテーマに解説をしていきたいと思います。
目次
栄転祝いとは
まず栄転祝いとは出世を祝い、上司や部下、同僚がプレセントを贈ったり、お祝いの席を用意することです。
多くの場合、同じ部署内の仲間と共同でお祝いをします。
会社によっては、贈り物や宴会などの慣例がない場合もありますので、確認が必要です。
ここ数年ではコロナ渦の影響で在宅勤務が増えたこともあり、部署内で顔を合わせる機会が全くないこともあります。
会社内でお祝いをしない場合、お世話になった上司や同僚には個人的にお祝いをしましょう。
昇進と栄転の違い
「昇進」と「栄転」はどちらも地位が上がることを意味しており、意味が似ています。
そのため、この2つの単語は混同されて使われてしまう事が多いようです。
そこで、昇進と栄転の違いを見ていきましょう。
昇進…昇進ですが、「官等・位階・地位がのぼりすすむこと。(広辞苑)」という意味です。
例えば役職が係長から課長に上がった場合などに使いましょう。
栄転と同様、「昇る」「進む」というポジティブな漢字が組み合わさり、その人のポジションが上に進んでいくことを表しています。
栄転…栄転ですが、「栄える」に「転じる」という組み合わせからも分かるように、「職務や職場が従来よりもよい地位に移ること。(広辞苑)」を意味しています。
栄転と昇進はどちらも地位が上がることを意味していますが、一般的に栄転と言うと「転勤、異動などで地位が上がる」ことを言います。
一方の昇進は「転勤、異動を伴わずに地位が上がる」ことを指します。
昇進祝いについてのマナーやおすすめギフトはこちらの記事を参考にしてください。
https://hanazakari.jp/magazine/phalaenopsis/4312/
お祝いを贈るタイミング
お祝いの声をかけたり、お祝いを渡すのは正式な辞令が発表されてからにしましょう。
正式な辞令が発表されてから1週間以内、遅くとも2週間以内が良いとされています。
極端に日にちが空いてしまうとかえって失礼になりますので、注意してください。
また、会社の中での事だけに、周囲の人とのバランスも大切です。
自分だけ先に渡してしまう事のないよう、注意しましょう。
栄転祝いには何を贈るべき?
おすすめのプレゼント
個人でプレゼントを贈る場合におすすめなのは、日常の仕事や生活で役立ちそうな「ちょっとした実用品」です。
共同で贈る品物とのバランスにもよりますが、例えばハンカチやハンドタオル、ちょっと高級なハンドクリームなどのコスメ、通勤時間の読書で活躍するブックカバー、ビジネスシーンでも使える革の小物や文房具などは人気のアイテムです。
もし上司がお酒好きでその好みがわかれば、ワインや日本酒、ビール券を贈るのもおすすめです。
食べることが好きならグルメの詰め合わせでもいいでしょう。
また、好みに合わせたカタログギフトもおすすめです。
受け取った人が自分でアイテムを選べますので満足度の高い物になりますし、贈る側も予算から逸脱することはありません。
避けた方が良い物
昇進祝いや栄転祝いには送ってはいけないプレゼントがいくつか存在します。
・靴
・靴下
・室内履き
・下着
これらは踏んだり、敷いたりするものなので「相手を踏みつける」と解釈され、縁起が悪いとされています。
他にも、割れやすいものや壊れやすいものも縁起が良くないため、贈り物には選ぶべきではないです。
また現金や商品券は、目上の人には失礼といわれているので、避けた方が無難でしょう。
栄転祝いにはお花がおすすめ
フラワーギフトがおすすめ
身近な方の人事異動でプレゼントを贈る際に、中でも贈り物として定番である、花束やフラワーアレンジメントを贈ると、日頃の感謝を伝えることができるでしょう。
お祝いの席等で直接渡す場合には花束が向いています。
色鮮やかで人目を惹き、受け取ったらそのまま飾れるフラワーアレンジメントも印象深く良いものです。
花束やフラワーアレンジメントの中でも、相手の好みをリサーチしておけば、しっかり情報収集してまで贈り物を選んでくれたことが伝わるので、もらった時の喜びも増します。
日頃の感謝の気持ちを伝えるために、花束やフラワーアレンジメントを選択し、気持ちよく人事異動していただけたら素敵ですね。
胡蝶蘭がおすすめ
栄転の祝い花で一般的なのは、ビジネスシーンで贈る機会の多い胡蝶蘭です。
豪華絢爛な胡蝶蘭の花弁が連続して咲き誇り織り重なる姿は、煌びやかで優雅に感じることが出来るため大変魅力的です。
胡蝶蘭は花持ちが良く咲き続けるため、非常に豪華で華やかな姿が長い間楽しめます。
育てる環境が整っていれば、初心者の方でも手軽に花を楽しめます。
胡蝶蘭の水やりは週一回程度と管理が楽で、適切な室温で管理すれば二度咲きする場合もあります。
花粉も飛ばず香りもほとんどなく、飾る場所に悪影響がないため喜ばれます。
また季節を問わず一年中生産されているので、時期を選ばずに贈ることが出来ます。
鉢植えの胡蝶蘭には「根を張る」という意味もあります。「根を張る(根付く)=根付いて仕事をする」という、今の業績や地位が盤石でありますようにとの願いを込めることも出来ます。
上記の理由からも、胡蝶蘭は大変おすすめです。
花言葉を意識する
お花をプレゼントする場合、その花が持っている「花言葉」を意識して送るのもおすすめです。
どのような花言葉が人事異動の際に合うのか、詳しい内容を紹介していきます。
花言葉
お花には、それぞれ花言葉があります。
どのような花言葉が人事異動の際に合うのか、詳しい内容をみていきましょう。
人事異動の際におすすめのお花の花言葉
・ガーベラ:ガーベラの花言葉は「希望」「前進」。
まるで明るい未来を指し示すかのようなポジティブな言葉ばかりです。
ピンク色のガーベラの花言葉は「感謝」「思いやり」です。
白いガーベラには「律儀」「希望」という言葉があり、ピンクと白を一緒に合わせて贈るのも
華やかになりますね。
・ポピー:ポピーの花言葉は「いたわり」「思いやり」。赤色のポピーの花言葉は「感謝」
相手を思いやりや、いたわりの気持ちの意味が強い赤色のポピーです。
離れていても思っているからという思いを込めて贈るのもいいかもしれません。
・フリージア:フリージアのもっとも有名な花言葉は「期待」ですが、「感謝」などの意味もあり
感謝を伝える良い花とされています。
また、フルーティーな香水のような香りもするのも特徴です。
・トルコキョウ:バラの姿に似ているトルコキョウ。花言葉は「感謝」「希望」「優美」です。
トルコキョウは紫色が多い為、どちらかというと男性に送りやすい花となっています。
職場でお世話になった先輩、上司に贈るといいでしょう。
白い花と合わせて贈ると紫のトルコキョウの良さが際立ちます。
・バラ:ピンク色のバラの花言葉は「感謝」「幸福」です。
ピンク色のバラはかわいらしい見た目なので、お世話になった女性の先輩に
感謝の気持ちを込めて贈るのもいいかもしれません。
バラは「恋」に関するイメージが強いので、「感謝」という意味を持つことを
メッセージカードを添えて伝えるのもいいかもしれないですね。
・ダリア:ダリアの花言葉は「感謝」です。
「これまでありがとうございました」と言う感謝の気持ちを込めて、ダリアをプレゼントするのも良いでしょう。
ダリアは鮮やかで綺麗なお花であるため、華やかな印象の花束ができるので、見た目的にも好印象です。
今では1年を通してフラワーショップで手に入れることができるのも嬉しいポイントです。
・スイートピー:スイートピーの花言葉は「門出」「優しい思い出」です。
人事異動で心機一転頑張る相手に、スイートピーを渡すことで、応援する気持ちを伝えることができます。
スイートピーの旬は春ですから、新年度から新しい環境で働く相手に渡すにもぴったりですね。
気をつけたい花言葉
同じ種類の花で見た目が綺麗でも、カラーによって花言葉の意味がそれぞれ異なり、前向きな意味ではなく後ろ向きな意味に変わるものがあります。
一例ですが、以下の花はカラーによって良い花言葉と悪い花言葉が大きく分かれるため注意が必要です。
・アネモネ:全般的に「はかない恋」「恋の苦しみ」「見放された」などの意味を持つためNG
・カーネーション:白色は「愛の拒絶」、黄色は「軽蔑」などの意味を持つためNG
・芍薬(シャクヤク):紫色は「怒り」「憤怒」などの意味を持つためNG
・チューリップ:まだら模様の入ったものは「疑惑の愛」、黄色は「実らない恋」「望み無き愛」、白色は「失われた愛」などの意味を持つためNG
・バラ:黄色は「愛情の薄らぎ」「嫉妬」、黒色は「憎しみ」「恨み」などの意味を持つためNG
・マリーゴールド:全般的に「嫉妬」「絶望」「悲しみ」などの意味を持つためNG
・ユリ:赤、ピンク色の花言葉は「虚栄心」、黄色は「偽り」、オレンジ色は「軽率」「増悪」などの意味を持つためNG
黄色の花はネガティブな花言葉を持っていることが多い傾向にあります。
また白色の花は清楚な印象ですが、白一色ですとお悔やみや弔事をイメージされる場合もあります。
白色を基調にする場合には、白色以外にピンク色や赤色や葉もののグリーンなどを入れるようにしましょう。
立札・メッセージカード
栄転祝いの花を贈る場合には、立て札やメッセージカードを付けるのが一般的です。
メッセージカードは、直接的なメッセージや想いを伝えることが出来ることが出来るため好まれています。
フォーマルな場面にお贈りする場合には、立て札を付けることが一般的です。
メッセージカードや立て札を付ける場合には、失礼がないよう用途に合わせた書き方をしましょう。
立札
お祝いで贈る胡蝶蘭には、マナーとして立て札かメッセージカードを添えます。
法人ギフトの場合には木札+1,100円(税込)、フォーマルな個人ギフトの場合は紙の立て札を添えます。
内容は「ご用途」「ご依頼主様のお名前」を記載することが一般的です。
加えて「お届け先様名」を記す場合もあります。
「ご用途」には「祝 御栄転」「栄転御祝」などと記載します。
【ご用途・ご依頼主様のお名前の記載】
祝 御栄転
〇〇株式会社 代表取締役 ×× ××
メッセージカード
花束やフラワーアレンジメント、カジュアルな個人ギフトには、メッセージカードがおすすめです。
メッセージカードは長い文章や気持ち等など自由にお好きな内容が書ける為、手紙感覚でご利用できます。
花ざかりでしたら、+110円(税込)にて、立て札とメッセージカードお二つともご用意することが可能です。
避けるべき言葉はどんな言葉?
お祝いの場ですから、ネガティブなイメージを持つ言葉は避けるようにしましょう。
例えば「辞める」「別れる」などです。
こうした演技のよくない単語は「忌み言葉」と呼ばれており、栄転や昇進以外にも結婚祝いの忌み言葉、お悔やみの忌み言葉など、シーンごとに設定されています。
【文例集】
・御栄転おめでとうございます。新人の頃から〇〇さんには大変お世話になりました。〇〇さんがいなくなるのは寂しいですが、今後ますます活躍をお祈りしています。
・この度の御栄転、心よりお慶び申し上げます。今後も素晴らしい手腕を発揮されることと期待しております。
・御栄転おめでとうございます。またお仕事を御一緒できるなんて光栄です。御指導、御鞭撻の程、宜しくお願いいたします。
「栄転祝い」の相場
「栄転祝い」の相場は、一般的に3,000~30,000円程度といわれており、非常に幅があります。
胡蝶蘭を贈る場合は30,000円前後のものが良いでしょう。
勤務先の上司や同僚の場合、部課単位でもお祝いをするのが普通なので、個人でのお祝いは3,000~10,000円程度が主流です。
相手との親密さや関係性によって判断するのがいいでしょう。
会社とは関係のない友人・知人や一般の親戚に贈る場合は、5,000~10,000円程度が目安になります。
兄弟・姉妹など、近しい肉親の場合は10,000~30,000円程度が目安となります。
注意する点
人事異動に伴ってプレゼントするのにぴったりの花ですが、プレゼントするにあたり気をつけなければいけないポイントもあります。
受け取りやすい物をプレゼントする
栄転に伴って贈る花に胡蝶蘭がふさわしいと説明しましたが、相手の自宅のスペースによっては胡蝶蘭を飾ることはあまり現実的ではないかもしれません。
また贈る相手が男性の場合、家に花を飾るための花瓶を持っていないかもしれません。
そのような場合は、花束よりもそのまま飾ることができるフラワーアレンジメントの方が相手の負担になることなく気軽に受け取ってもらうことができるでしょう。
持ち運びしやすいサイズを
お花を渡すタイミングは、職場や送別会の会場などが多いでしょう。
もし相手が車で移動していれば問題ないのですが、電車などの公共交通機関で通勤している場合、花束のサイズには注意する必要があります。
大きな花束は見栄えが良く受け取ったときのインパクトもありますが、持ち帰るのが大変になってしまいます。
プレゼントは相手に気を使わせてしまっては無粋です。
同様に相手が自転車で通勤している時も注意が必要です。
渡すタイミング
プレゼントで花束を渡す場合は、渡すタイミングも細心の注意を払いましょう。退職当日に渡そうと思っていると、バタバタしてしまってタイミングを失ってしまう可能性もあります。また、朝1番で仕事が忙しい時に花束を渡しても、慌ただしく感動する時間がなくなってしまうかもしれません。
もし送別会などが計画されているのであれば、その時に渡すのがベストかもしれませんね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
「栄転」とは、部署や勤務地などの移動を伴って、今までの地位や職務よりも良い地位に移ることです。
新しい人生のスタートとこれからの活躍に期待を込めて、花などを贈って心からお祝いしましょう。
「相手に合わせた価格の花を選ぶ」「栄転祝いの花を贈るタイミング」「立て札やメッセージカードの書き方」などの、花を贈る際に気を付けたい最低限のマナーを心がけましょう。