観葉植物の持つ洗浄効果とは

観葉植物には洗浄効果があります。
私たちが否応なしに吸っている空気をきれいにしてくれ、マイナスイオンを発生させてくれるといわれています。
そのため癒しやインテリアの目的以外にも、健康を守ってくれる天然の空気清浄機としての効果を求めて、観葉植物を飾る人が増えています。
観葉植物の持つ、洗浄効果の秘密を探ってみましょう。

観葉植物の洗浄力はNASA公認です

観葉植物の洗浄効果が知られるようになったのは、NASAの研究でその実力が証明されたからです。
部屋の中は密閉されており、空気が汚れやすく、定期的に換気が必要です。
宇宙空間で生命を保つためには、密閉された空間にいることを余儀なくされます。
部屋のように窓を開けることができませんから、なんとか中の空気をきれいにする必要がでてきます。
そこで目を付けられたのが観葉植物で、長きに及ぶ研究の結果、高い洗浄能力が発見されました。
数多くの観葉植物が、宇宙船内に存在し、宇宙飛行士らの健康を害する恐れのある有害物質のVOCも除去する能力があると認められました。
その中で選び抜かれた優秀なものは、エコプラントと呼ばれています。

植物自身を守るフィトケミカル(ファイトケミカル)が人間の健康も守ってくれます。

観葉植物は空気の中のカビの元やバクテリアの増殖を防ぎ、人間の健康維持をサポートしてくれています。
これは植物自身が出している、フィトケミカルという化学物質の働きによるものです。
足や羽を持たない植物が、身を守るために身に付けた能力です。
逃げることができないだけに、虫から食べられたり、空中に浮遊する悪い物質の影響で枯れたりすることを防ぐために、こういった能力が必要だったのでしょう。
空気をきれいにするだけではなく、老化予防にもメリットが期待できるフィトケミカルの仲間には、ポリフェノールやカテキンも含まれているそうです。
観葉植物を置くだけで美容効果が期待できるかどうかは不明ですが、部屋の空気がきれいになることは、肌にとってもメリットがあります。

夜も酸素を出すサンセベリア

NASAに認められたエコプラントの中でも、その能力が高く評価されているのがサンセベリアです。
フィトケミカルの発生力の強さに加えて、人体にメリットがあると考えられているのが
サンセベリアの呼吸法です。
通常、植物は光合成をしていない夜の間の呼吸は人間と変わりません。
つまり、二酸化炭素を出して酸素を入れるので、夜の間は、人間は植物の呼吸から酸素を得ることができません。
ところがサンセベリアは、夜の間も二酸化炭素を吸い、酸素を出します。
酸素には疲れを取ってくれる効果が期待できるので、サンセベリアの呼吸は寝ている間に自然に疲れを癒してくれそうですね。
長い葉を持つサンセベリアの葉には、酸素を得られるメリットのほかにも、有害物質の吸収力の高さが期待できます。

観葉植物が有害物質を除去する仕組み

観葉植物がどうやって有害物質を部屋から除去してくれているのかも気になるところです。
植物は、葉が持っている気孔から空気を出し入れしています。
気孔から入って空気中の有害物質は葉と根で吸収されますが、その比率は葉が約3割で根が約7割といわれています。
実は、有害物質の分解をメインで担っているのは葉や根ではなく、土だという説が有力なようです。
土の中で生きているバクテリアが、その役目を背負ってくれています。
バクテリアって有害なんじゃないの、と思われたかもしれませんが、バクテリアにも菌と同じように善玉と悪玉が存在します。
観葉植物が育っている土の中で、空気中の有害物質を分解してくれるのは善玉のほうです。
分解されてなくなっているのではなく、バクテリアが有害物質を餌とし、植物の栄養源としているのだそうです。
人間にとっては有害な物質でも、自分自身を成長させるものに変えてしまう植物の生命力には驚かされます。観葉植物を育てていた鉢から観葉植物を取り出した土でも、効果があったという結果が出ているようです。

マイナスイオンを発生させる観葉植物

観葉植物は、マイナスイオンを発生させることでも有名です。
観葉植物の中の水分が、空気中に移動する時に、マイナスイオンも大量にできると考えられています。
マイナスイオンには、血液をきれいにしたり、自律神経を整えたりというメリットが期待されています。
現在では、環境の変化により空気中のマイナスイオンとプラスイオンの割合は、プラスイオンのほうが多くなっています。
プラスイオンが増え過ぎると、人間の心身にも悪い影響が出ることが懸念されています。
現在の私たちの生活は、車や大量の電化製品の使用などにより、プラスイオンが増える要因が満載です。
せめて部屋の空気だけでもマイナスイオンを増やし、心身に癒しを与えたいものです。

置くだけで空気清浄してくれる観葉植物

ホルムアルデヒドやアンモニア、ベンゼンといった有害物質で、たくさんの人がシックハウス症候群に悩まされました。
これと同じものが、宇宙で働く人の健康を害すとして、NASAにより進められた研究で観葉植物の洗浄効果が発見され、多くの人を救うことになりました。
空気中の汚れは掃除機で吸うというわけにいきませんし、目にも見えませんから、自分で退治するというのも難しいです。
目に見えない有害物質の影響を置くだけで軽減してくれる観葉植物は、人間にとって大変貴重な存在です。