【仏事】お供え用にふさわしい胡蝶蘭とは?

お祝いに贈る花として定着している胡蝶蘭ですが、お悔やみの供花としても利用頻度が高い花です。
亡くなった方に生前の行いへの感謝や安らかに旅立ってほしいという思いが込められている供花ですが、残された家族の大切な人を失った喪失感を癒したいという意味もあります。
葬儀や亡くなった方とお別れする告別式、初七日や四九日、一周忌などの法要まで、いろいろな場面で贈られている胡蝶蘭ですが、守らなければならないマナーもあります。
贈られる側がデリケートになっていると思われる状況ですから、お祝いの時よりも気を付けなければいけません。

枕花にふさわしい胡蝶蘭は?

贈られる側からすると、まず亡くなってから最初に贈られるのは枕花です。
まだ死者の魂がそばにいると考えられていますから、死者の魂を癒すためにご遺体の枕元に飾られる花です。
枕花を贈るのは、個人と特に親しい関係にあったか、個人と親族である場合です。
ご遺体が自宅で安置されている間、枕花はずっとご遺体の枕元にあり、自宅以外の場所でお葬式を行う場合は、枕花も式場へ運びます。
枕花に胡蝶蘭を贈る場合の、上手な選び方はどんなものでしょうか。
弔事には宗派別の決まり事や、昔からのしきたりがありますから、原則的にはそれを守ります。
個人の遺言がある場合や、ご遺族が希望する場合はルールから外れる場合もありますが、基本的に四十九日が終わるまでは白1色です。
ですから、枕花に胡蝶蘭を贈る場合も白い花を選んだほうが無難です。
自宅に置かれている時間が長く、葬儀場と家を移動することがあるので、あまり大きいものは迷惑になることがあります。
ミディや1本だけの大輪、アレンジメントがよく選ばれているようです。

いつどんな花を贈ればいい?

お供え花と一口にいっても葬儀の会場に飾られるものから、法要の際に贈るもの、仏壇に飾るものなどいろいろあります。
まず一番贈ることが多いのはお葬式の時ですが、やはり色は白を贈るのが普通です。
故人が好きだった色を飾ってほしいという場合もあると思いますが、通夜や告別式にはたくさんの人がお焼香に訪れますので、一般的な常識を守ったほうがいいと思われます。
大きさは故人との関係と斎場の広さを考慮して決めますが、会場の広さに余裕があり、特に親しい人やお世話になっている人なら5本立ち、それ以外なら3本立ちが主流で、本数は基本的に奇数にします。
告別式に参列できなかった場合に、後日胡蝶蘭を贈りたいという場合は、仏壇のそばに置くことになりますから、あまり大きくないミディがオススメです。
基本的に四十九日までは白い花を贈りますが、それを過ぎると少しずつ色付きの花にしていくのが習わしです。
ご遺族の方も悲しみから立ち直り、冷静さや普通の生活を取り戻してきているところですから、明るさを失わないようにという配慮もあります。
明るい色といってもお祝いをイメージさせる紅白は避け、淡いピンクやグリーンなどのやさしい色を混ぜていくことが多いようです。

仏壇に飾るのに向いている胡蝶蘭

亡くなってから間があって故人のお宅を訪問する場合に、仏前に供えてもらうための胡蝶蘭を持っていきたいという場合もあると思います。
鉢植えを仏前に飾ることも多くなり、抵抗もなくなりましたが、鉢植えだと仏壇には乗せられない場合もあります。
鉢植えの中の肥料を、不浄のものとして嫌う風潮も根強く残っているようです。
こういった時は切花になった胡蝶蘭を持っていく、という選択肢もあります。
切花だとすぐに枯れてしまいそうなイメージもありますが、生命力の強い胡蝶蘭は切花にしても長持ちします。
大袈裟になり過ぎず、ご遺族に気を使わせないという良さもあります。
通信販売でも切花のラインナップが豊富になり、お供えとして利用する人も増えているようです。

お供えにふさわしいラッピングと立札について

ラッピングも葬儀に合わせた、シックなものが適しています。
白やグレーのほかに、淡いみどりや紫もよく贈られているようです。
亡くなった方が、ピンクが好きだったからピンクのラッピングで贈りたいという場合もあると思いますが、それは避けたほうがいいでしょう。
たくさんの人がお焼香に訪れ、事情を知らない人も多いですから、常識がない人という印象を持たれてしまう恐れもあります。
包装紙を結ぶリボンも白や黒などの喪に相応しい色を選んだほうがいいでしょう。
葬儀に贈る場合は、贈り主の名前を入れた立札を立てますが、名前の上には供と入れるのが習わしです。
メッセージなどは入れず、単調なほうがお悔やみの気持ちが伝わりやすいでしょう。

急な訃報も通販なら便利

お悔やみで花を贈る時は前もって準備をすることができませんから、必要になったらすぐに手配しなければなりません。
花屋さんにいけば注文はできますが、知らせが来たのが夜中だったということもあります。
お店が空いている時間だとしても、近所に花屋がないこともありますし、希望のものをすぐに用意してくれるか不安です。
そういう場合は通販を利用すれば、出先からでも注文でき、写真で商品を確認することもできて便利です。