実は簡単!胡蝶蘭の冬の越し方・育て方~もう一度咲かせる方法~

胡蝶蘭は1年中温室で栽培されているため、季節を問わずさまざまなお祝い事に重宝します。
適切な管理やお手入れ次第で何シーズンも美しい花を楽しむことができる植物ですが、冬の時期の管理にはちょっとした工夫が必要となります。
いただいたり、自宅用に購入した胡蝶蘭をまだまだ楽しむためのコツをご紹介します。

胡蝶蘭ってどんな植物?

原産地

東南アジアを中心に、インド、中国南部、台湾、フィリピン、インドネシア、オーストラリアなどの赤道付近の高温多湿な熱帯ジャングルに広く分布します。その為、気温15~25度、湿度60~80%の環境を好みます。
熱帯地域には「乾季」といわれる植物にとってはとても過酷な、降水量が極めて少ない時期があります。この乾季を乗り越えるため、水分や養分を蓄えられるように葉や茎が分厚くなり、ごく僅かな水分でも枯れずに生きていけるよう変化していきました。

寿命

ランの中でも非常に長く、環境がよければ長くて3ヵ月ほど咲いている姿を楽しむことができます。
また、株自体の寿命も長く、根腐れなどの病気にさえ気を付けていれば何年でも生きるといわれています。花が落ちても冬の管理次第では翌年にまた美しい花を咲かせてくれるので、楽しみが長く続きます。鑑賞期間が長いという特徴は、お祝いの品として重宝される理由の一つでもあります。

冬の管理方法

高温多湿な熱帯生まれなので、寒さはあまり得意ではありません
春から秋の暖かい時期には元気に育っていても、冬の管理を失敗すると株が弱くなり枯れてしまいます。
日本の冬は胡蝶蘭にとって寒すぎる環境なので、春から秋とは管理方法を変えて胡蝶蘭が好む高温多湿に近い環境を作ってあげることが大切です。

温かい場所に置く

日中は20~25℃位、夜間は18℃前後、常に20℃前後を保つことが理想です。寒さが苦手な胡蝶蘭は5℃以下になると枯れてしまいますが、温度が高すぎてもお花がしおれる原因となります。
日中の暖かい時間は、窓際のレースカーテン越しで日光浴をさせてあげましょう。エアコンなどの暖房機の風は乾燥の原因となりますので、当たらないよう注意してください。
玄関などの常に気温が低い場所には置かないようにしましょう。
お店や会社の場合は、いただいてから1週間ほど目立つところに飾った後、上記の温度を保てる場所に設置することが望ましいです。

夜間はしっかり保温する

部屋の温度が下がる夜間や数日間留守にする場合などは、冷える窓際から暖かい部屋の中央に移動させます。
特に冷えるときは、上から段ボールやビニール袋、新聞紙、毛布などをかぶせると寒さ・乾燥から守ることができます。

加湿する

乾燥が苦手なのでしっかり加湿をしましょう。暖房の効いた部屋は乾燥するため、鉢周辺の湿度を50%以上保つのが理想です。
加湿器をそばに置いたり、水を張った洗面器を近くに置くのも効果的です。

水やりは控えめに

胡蝶蘭を枯らしてしまう原因の多くは水のあげ過ぎによる根腐れですので、水のあげすぎは禁物です。冬は水の摂取量が減るため、10日に1回程度、土の表面が完全に乾いて白っぽくなってからあげるようにします。
夏の時期の半分以下(コップ半分程度)の水量を、天気が良くて暖かい日の午前中にあげるのがおすすめです。冷たい水は株を傷める原因となりますので常温の水をあげましょう。
水をあげた後受け皿にお水が溜まったときはそのままにはしないで捨ててください。

葉水をあげる

葉に霧吹きで水をかけてあげることを「葉水(はみず)」と言います。
葉水には、乾燥を防ぎ、鉢周辺の湿度を上げる加湿効果があります。空気が乾燥する冬は、1日に何度か葉水をしてあげてください。

冬の管理で気を付けたいこと

冬は、花が咲く準備をするための休眠状態に入るとても大切な時期です。
この時期の管理には注意しておきたいことがあります。

肥料は控える

冬の胡蝶蘭は株が弱く休眠状態に入っているため、ほとんど栄養を必要としません。栄養過多となりかえってダメージを与えてしまいますので、冬は肥料を与えないようにしましょう。

植え替えはしない

株が弱い時期の植え替えは、根が傷み、そこから腐ってしまう恐れがあります。
4月~6月の暖かい時期が植え替えに適しています。

葉は健康バロメーター

最低限の働きで生きている冬は、かなりデリケートな時期ですのでしっかり管理しているつもりでも異常が現れることがあります。
特に葉は、病気や株の異常・病気の症状がいち早く現れる健康バロメーターのような部位ですので、葉の異常や変化に早く気付いて適切な対処をとることが上手く冬を越すためには何よりも大切です。

【健康な葉の状態】
・全体に深い緑色で色ムラがない
・水分を多く貯え、肉厚でツヤ・ハリがある
・あちこちに広がっておらず、全体的に上を向いている
・根元からきゅっと引き締まっている

胡蝶蘭がダメージをうけたときは

無事に冬を越すために葉の状態をこまめにチェックしましょう。
もしも以下の症状が見られた場合、弱ってしまっていると考えられます。

ほとんどの葉が落ちてしまった

多くの葉が落ちてしまった場合、株が弱っていると考えられます。温度・湿度が合っていなかった、水のあげすぎ、日照不足などが原因で起こります。
葉が落ちても完全にダメになってしまったとは限りません。環境を整えて根を健康な状態に戻すことで再び花を咲かせることができるかもしれません。
時期ごとに以下の手順を参考にしてみてください。

3月:水やりをやめ、風通しのいい場所に置いて葉が落ちた傷口と土全体をしっかり乾燥させる。
4~5月:霧吹きで土の表面のみに水を与える。

6月頃、新しい芽が生えてきたら、株が回復した証拠です。もしもこの時期に回復しなければ残念ながら枯死している可能性があります。

葉がしおれてしまった

水やりを控えていたつもりでも、胡蝶蘭にとっては水が多すぎて根腐れを起こし、水分を吸収しきれていない可能性が考えられます。冬は土の水分が蒸発しにくく鉢内が湿った状態になりやすいため、根腐れを起こしやすくなります。
そんなときは、葉水を与えてから段ボールやビニール袋をかぶせて暖かい部屋でカビが生えていないかを気にしながら1~2ヶ月ほど休ませてみてください。葉にツヤが出てきたら回復した証拠です。
それでも症状が改善しなかったり、異臭がするときは根腐れが進行しているかもしれません。4~6月になるのを待って、植え替えをしてみましょう。

葉が変色している

葉が茶色や黒くなったり部分的に白くなる症状を「葉焼け」といいます。主に日差しが強い夏に多く見られる症状ですが、冬でも直射日光に長時間当ててしまった場合にも起こることがあります。
葉焼けの症状がみられたときは、すぐに日陰かカーテン越しの場所に移動させましょう。葉の大部分が黒くなっている場合は、そこから病気にかかる可能性もあるため、傷んだ葉をカットしましょう。

葉に黒い斑点ができる

葉に茶色や明るい灰色の斑点があらわれ、しだいに大きくなるようであれば「炭そ病」かもしれません。進行すると葉に穴が開いてしまうこともあります。カビの胞子が原因で、株が弱っているときにかかりやすい病気です。
主に夏に気を付けたい病気ですが、冬に起こることもあります。こちらの症状がみられたときは、斑点の部分を周囲から切り取り、殺菌剤を塗って風通しの良い場所に移動させましょう。

春になっても花が咲かない場合

気を付けて管理していたのに春になっても花が咲かないことがあります。
胡蝶蘭は温室で年中栽培されているため、いただいたタイミングが春頃でない場合に胡蝶蘭の体内時計が狂っている可能性があります。
花が咲かなくても葉にツヤ・ハリがあれば胡蝶蘭は生きており、一年のうちのどこかでお花を咲かせます。春に咲かなかったからといってあきらめず、のんびりお世話をして様子を見てみてください。

こちらの記事にも胡蝶蘭の花を咲かせる方法を詳しくまとめておりますので、参考にしてみてください。

捨てないで!咲き終わった胡蝶蘭はこうして復活する

冬の配送方法

寒さ・乾燥が苦手な胡蝶蘭を冬に贈るのは難しいと思われるかもしれませんが、決して出来ないわけではありません。
寒い時期でも鮮度を保ったままお相手様の元へお届けできるよう、胡蝶蘭を取り扱うほとんどのショップが防寒梱包をして出荷を行っています。
花ざかりでは、無料でエアパッキン(プチプチ)やカイロを使用した防寒対策を施して発送しています。万が一配送途中に冷えた環境に置かれてしまっても、防寒梱包によって胡蝶蘭が守られますので、安心して贈ることができます。

冬のお届けで注意する事

梱包を冬仕様に施すことで寒い時期でも贈ることが可能ですが、北海道や東北地方など特に寒い地域へのお届けは注意が必要です。凍傷の可能性を考慮し、12月頃になると配送をお断りしているショップもあります。
花ざかりでは、寒冷地(北海道・東北・信越・北陸など)へのお届けは凍傷のリスクをご了承いただいた場合に限り発送をしております。
寒い地方へ贈りたい場合のおすすめは、11月上旬頃までに贈るか、お届け先の地域に近いお花屋さんで注文することが望ましいです。胡蝶蘭は花持ちがいいので早めに送っても長い間お花を楽しむことができます。

寒さに強いラン

ランの中には冬に開花する寒さに強い品種があります。冬の時期にだけ贈ることができる特別感から冬の贈り物に人気です。
お歳暮やクリスマスの時期に購入しても、新年もしくはそれ以降も美しい姿を保つことができます。家族、親戚が集まるお正月に美しいランが飾ってあれば、その場をより一層明るく演出してくれます。

シンビジューム

シンビジューム 蘭 3本立ち ピンク 直立

淡く優しいピンクで儚げな風合いがあります。花言葉は「上品な女性」「素朴」
個人様、法人様問わずお選びいただける冬季限定の蘭ですので、珍しい商品をプレゼントしたいお客様におすすめです。

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ランの中で比較的管理が簡単で寒さにも強く、温度がかなり下がる地域でも室内であれば問題なく育てることができます。
胡蝶蘭は5℃前後で枯れてしまいますが、シンビジュームは3℃ぐらいまで耐えられるので気温の低い玄関などにおいて花を楽しむこともできます。
株の根元にある丸くふくらんだ「バルブ」に養分や水分をためて育つのが特徴です。ピンクや黄色など可愛らしい色味で、花茎が直立のものやアーチ状、下向きに垂れて咲く下垂性のものもふえています。

水やり

水分をたくさん必要とします。特に成長期である春から秋にかけては、たっぷり水をあげるようにしましょう。土が乾きすぎないよう3日おきぐらいが目安です。
秋から冬にかけては1週間に1〜2回に減らし、蕾が伸び始めたら2日に1回程度に水やりを増やしてください。この時期に水が足りないと花がつきにくくなってしまいます。

置き場

日当たりのよい場所に置きましょう。真冬以外は屋外に置いていても十分育ちます。
5月から9月頃の日光が強い時期は、直射日光が当たらないよう注意しましょう。風通しを良くすることも大切です。

デンドロビューム

デンドロビューム 洋蘭 ピンク 6号

耐寒性に富み、株そのものが凍らないかぎり枯れることのない丈夫な洋蘭です。
花言葉は、『わがままな美人』『天性の華をもつ』

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こちらもランの中で比較的管理が簡単で、耐寒性があり株そのものが凍ってしまわない限り枯れることはほとんどありません。開花期は春ですが、店頭では冬になると美しい花を咲かせた鉢が多く出回るようになります。
艶やかな色と香りが魅力で、ラン初心者の方におすすめの洋蘭です。

水やり

乾燥気味に育てたほうが根が育ちやすいです。胡蝶蘭と同じく、土の表面が乾ききったら与えます。特に、生長が緩やかになる秋以降は控えめにしましょう。
受け皿に水を溜めないよう、水やり後は毎回捨てるようにしてください。
室内に置いている場合は乾燥しやすいのでこまめに葉水を与えるようにしましょう。

置き場

春から秋の暖かい時期は、屋外の明るい日陰または室内の日当たりのいい場所がおすすめです。直射日光は葉焼けの原因となりますので、レースカーテンで遮光しましょう。
寒さに当たることで花芽がつきやすくなるため、気温が6~8℃の日が一週間ほど続くくらい寒くなってきたころまでは屋外で、それ以降は室内に移動させるのが良いでしょう。

まとめ

熱帯地方生まれの胡蝶蘭にとって日本の冬は厳しい環境です。冬の管理で特に気を付けたいことは温度と湿度、胡蝶蘭が好む高温多湿な環境を作ってあげることが何よりも大切です。葉の様子を見てこまめに健康状態をチェックすることも大切です。
ポイントさえ押さえれば、初心者の方でも管理することができます。
春の開花時期に向けて、適切な管理方法で寒い冬をうまく乗り越えましょう。