【観葉植物の冬越し】枯らさずに春を迎えるための管理法

観葉植物は熱帯地域を原産地とする品種が多く、暖かい環境を好むため寒い時期が苦手です。夏と同じような管理方法では、うまく冬越しができずに枯れてしまうかもしれません。
冬の管理方法は難しくなく、ポイントさえ押さえておけば一年中元気に育ってくれます。 今回は、観葉植物の冬の管理方法、上手に冬越しするための工夫をご紹介します。

観葉植物が冬に枯れる主な原因と対策

「春から秋は元気に育っていたのに、寒くなってから元気がない・枯れてきた」などのように、冬の時期の観葉植物の管理方法について悩んでいる方は少なくありません。日本には四季があるので、熱帯生まれの観葉植物は暑さ寒さなど気候の変化が苦手で特に冬の管理は気を付ける必要があります。冬に元気がなくなってしまう主な原因は次の6つがほとんどです。

水の与えすぎ

冬に枯れる原因として多いのが、水の与えすぎです。植物が成長期を迎える春~夏は水をたくさん必要としますが、冬は休眠期に入るため水をあまり必要としません。
春夏と同じペースで水やりをすると、根が水を吸いきれずに根腐れしてしまう可能性があります。
土の表面が乾いて白っぽくなってからあげるのが基本の水やりですが、寒い時期は乾いてからさらに2~3日経ってから、日中の暖かい時間帯に常温の水を使うと良いでしょう。

観葉植物を枯らしてしまう最も多い原因は?「根腐れ」に要注意!

置き場所が寒い

玄関や洗面所、暖かい部屋でも窓に近い場所は、気温がぐっと下がるため冬の観葉植物の置き場には適していません。
気温が低い場所は避け、1日を通して10度以上を保てる暖かい部屋に移動させてあげましょう。

日当たりが悪い

日当たりが悪い場所では光合成ができず、枯れる原因につながります。冬は日中の暖かい時間帯に、レースカーテン越しに日光を当てましょう。

エアコンの風に当たっている

冬になるとエアコンなどの暖房器具を使用するため、風が植物に直接当たっていないか確認しましょう。直接当たってしまうと、過度に乾燥して葉が傷み枯れてしまう場合があります。出来るだけエアコンの風が直接当たらない場所に置くようにしましょう。

生長しすぎて根詰まりを起こしている

同じサイズの鉢で長期間育てていると、根が生長しすぎて根詰まりを起こして枯れてしまうことがあります。根詰まりを起こすと、水を与えても吸収できずに鉢内が蒸れてしまったり、株が生長できず弱ってきてしまいます。鉢底から根が飛び出してきたら、植え替えを行いひと回り大きな鉢に植え替えましょう。しかし、植え替えは植物に負担がかかる作業ですので、冬は避け春の暖かい時期が来たら行ってくださいね。

植物の耐寒性が低い

植物は品種によって特性が異なります。育てている植物が、寒さが苦手な品種である可能性があります。耐寒性が低い品種でも、冬越しさせるポイントを押さえておけば、寒い冬を乗り越えることは十分可能です。

 

冬に起こりやすいトラブルとは?

葉が落ちる

育てている植物が耐えられないほどの気温の低い場所や乾燥した場所、1日の中で温度が変わる場所に置いておくと、今まで元気だった葉が落ちてしまうことがあります。また、水を必要以上にあげすぎて根腐れを起こしてしまった場合にも葉が落ちてしまうことがあります。

全体的に萎れて元気がない

葉が落ちる原因と同じように、観葉植物の置き場に適していない場所にしばらく置いていた場合、全体的に萎れてしまうこともあります。

「徒長」が起こる

徒長とは、植物の茎や枝が必要以上に間延びしてしまうことです。日照時間が短い冬は日の当たる時間が減ってしまうだけでなく、必要以上に水を与えすぎてしまう時期でもあります。このような状態が続くと徒長が起こります。徒長した植物は、茎がひょろっと細く、葉の間隔が長く間延びした形になってしまいます。
正常に育った植物と比べて病弱で、害虫に対する抵抗性も弱く、暑さ寒さなどの環境の変化も受けやすくなります。見た目が美しくないだけでなく枯れやすくなってしまうため、水やりの頻度を見直し、日中の暖かい日差しに当てるようにしましょう。

観葉植物を冬越しさせるために

観葉植物を冬越しさせるにはいくつかのコツがあります。どれも難しくないので、大切な植物が無事に冬を越えられるためにぜひ取り入れてみてくださいね。

定期的に霧吹きをする

水やりの頻度が減る代わりに、霧吹きなどで葉に直接水をかける「葉水」を毎日行うようにしてみてください。冬は空気が乾燥し、暖房器具などを使用するとさらに乾燥気味になるため、葉の乾燥防止にとても有効です。それだけでなく、ハダニなどの害虫によるトラブル予防にもなります。また。葉の表面に付着したホコリを洗い流すこともできるため光合成をしっかりできるようになります。

加湿器を使用して湿度を調整する

冬場は空気が乾燥するため、植物の近くに加湿器を置くと湿度が保つことができます。
人が快適に過ごせる温度・湿度が植物にとっても快適な環境ですので、40〜60%が理想です。

保温グッズを活用する

うまく冬越しをするために以下のようなものを使用して保温するのがおすすめです。

  • 段ボール
  • ビニール袋
  • 発泡スチロール
  • 毛布

気温が下がる夜間や、数日自宅やオフィスを空ける際は、段ボールや発泡スチロールで周りを囲ったり、ビニール袋や軽い毛布をかぶせて冷気を遮断すると良いでしょう。

屋外で育てている植物は室内へ

寒い地域や、冬の冷たい風が良く当たる場所に置いていると冬越しは難しいかもしれません。屋外で育てている植物は、朝晩が寒くなる秋頃になったら室内の温かい部屋に取り込みましょう。

 

枯れているかの確認と対処法

元気がなくても枯れているとは限らない

ほとんどの観葉植物が、気温が15℃以下になると休眠状態となります。観葉植物によっては、休眠状態に入ると葉が黄色や茶色に変色し、葉を落とすことがあります。枯れているかどうかの判断が難しい場合は以下の方法で判断することができます。

枝を少しカットする

切り口が白っぽく柔らかい場合はまだ生きています。切り口が茶色くなっていたり、スカスカで中身がない、腐っている場合は枯れているといえます。数本の枝が枯れた状態でも、他の枝がしっかりしていれば植物自体は生きています。
まずは置き場の環境を見直し、冬から春に移り変わってきたら少しずつ水やりを再開し、春になって新芽が出てくるのを待ってみましょう。

根を少し掘り起こして状態を確認する

根を少し掘り起こして確認したときに、白っぽい色をしていれば元気な証拠です。一部の根が黒ずんでいる場合は、暖かくなってから傷んだ根を取り除く作業をします。全ての根が黒ずんでいたり悪臭がする場合はすでに枯れている状態といえますので、残念ながら処分するしかないでしょう。

 

観葉植物の冬の管理で避けるべきこと

肥料や栄養剤を与える

肥料や栄養剤を使用するのは、植物が成長期に入る春夏が一番適しています。秋冬の時期は休眠期で栄養を必要としないため、与えなくても良いです。この時期の肥料はかえって栄養過多となり株に負担がかかり、葉が急激にしおれたり焼けるように枯れるといった「肥料焼け」の原因となるため注意が必要です。
植物にとっての肥料は、成長を促進させるためのものですので、元気がないからといって与えるのは逆効果です。

植え替え

植物に負担がかかる作業なので、植物が元気な暖かい時期が適しています。冬の植え替えはさらに弱らせてしまう原因となります。植え替えをしたい場合は次の春~夏頃まで待ちましょう。

置き場をあちこち移動させる

植物の為により良い環境へと場所を二転三転させるとストレスとなり葉が落ちてしまう原因となることがあります。

寒さに強い観葉植物4選

観葉植物の耐寒温度は品種によって違いはありますが、基本的に10℃前後です。10℃を下回ると元気がなくなってしまい、寒さに弱い品種は枯れてしまいます。
中にはもっと温度が低くても元気に生きられる品種もあります。今回は耐寒性が高い観葉植物をご紹介します。

モンステラ

モンステラ 7号 角高陶器鉢

切れ込みが入った大きな葉が印象的なモンステラ。南国のイメージが強い品種ですが、比較的寒さに強い特徴を持っています。1日を通して気温が5度以上保てる場所であれば冬越しできます。

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カポック

カポック 8号鉢

葉が手のひらを広げたように密生するユニークで昔から馴染みの深い観葉植物です。カポックは観葉植物の中でもトップクラスに強く順応性が高い品種といわれています。寒さ、乾燥、日陰のいずれにも耐えられる強さを持っています。

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オーガスタ

ストレリチア・オーガスタ 6号 陶器丸鉢カバー

大きくつややかな葉が印象的で、スタイリッシュな見た目からインテリアとして人気が高い品種です。
寒さや乾燥には強く、室内であれば初心者の方でも冬を越すことができます。葉が大きい分、乾燥・害虫予防として霧吹きで葉水はたっぷりあげてくださいね。

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ユッカ

ユッカ 青年の木 10号鉢

耐寒性が強く、気温を2~3℃保てる場所であれば冬を越すことができます。乾燥にも強く、とても育てやすい観葉植物です。日光を好みますので、積極的に当ててあげると元気に育ちます。開店祝いや新築祝いなど、法人・個人問わず贈り物としても人気があります。

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まとめ

寒さが苦手な観葉植物を育てるには、急激な環境の変化に注意し、1年を通して安定した環境にしてあげることが大切です。冬越しは難しそうと思うかもしれませんが、難しい作業などはなく、観葉植物初心者の方でも方法さえ知っておけばきちんと冬越しできます。冬の管理がうまくできると何年も育てていくことができるため、上手に冬越しする方法を押さえておきましょう。