梅雨の時期の胡蝶蘭の育て方~元気に夏を迎えるために~

雨の日が続く梅雨の時期が苦手な方は多いのではないでしょうか。
ですが、胡蝶蘭にとっては過ごしやすく本格的に成長期に入る時期です。この時期の管理にはちょっとした工夫が必要となります。
贈り物としても人気があり、適切なお手入れ次第で何シーズンも美しい花を楽しむことができる胡蝶蘭。元気な状態で夏を迎えることが出来るよう、梅雨の時期をうまく乗り越える管理方法をご紹介します。

 

胡蝶蘭について

胡蝶蘭の原産地は熱帯地域

もともとは、インド、中国南部、台湾、フィリピン、インドネシア、オーストラリアなどの赤道付近の熱帯地域を原産とする、空気中から水分をとって生きる着生植物です。
熱帯生まれであることから、気温15~25度、湿度60~80%程度の高温多湿な気候を好みます。
そのため日本では自生せず、ビニールハウス内の高温多湿な熱帯地方に近い環境で生産されています。

 

寿命はなんと50年以上!

適した環境であれば、長くて3ヵ月ほど咲いている姿を楽しむことができ、他のお花と比べても圧倒的に鑑賞期間が長い生命力の強いお花です。
また、株自体の寿命も長く、病気などのトラブルにさえ気を付けていれば寿命は50年以上といわれています。

 

実は梅雨に強い胡蝶蘭

日本には四季があるため、季節に応じて管理方法を見直していく必要があります。
高温多湿な気候を好む胡蝶蘭は寒さが苦手で冬になると成長を止めてしまい、やがて春が来て暖かくなると徐々に成長期に入ります。平均気温が22.1度、平均湿度が78%にもなる梅雨の時期は、胡蝶蘭にとっては過ごしやすく本格的な成長期を迎えます。

 

梅雨の時期の管理方法

梅雨は胡蝶蘭にとって過ごしやすい時期とはいえ、正しい管理・お手入れをしないと枯らしてしまうかもしれません。そうならないために管理のポイントをご紹介します。

梅雨の時期でも元気に育てる水やり方法とは?

コップ1杯(200ml)ほどの量を7~10日に1度程度、植え込み材の表面が乾ききってから与えます。植え込み材の乾燥のスピードは季節や置き場所の環境によって異なるため、確認してからあげるようにしましょう。
気温が下がる夜は水を吸い上げにくくなるため、水やりのタイミングは午前中が適しています。
梅雨の時期の雨は自然のミネラルを含みます。あえて雨が降っているときに少しだけ外に出して雨に当ててあげると、胡蝶蘭にとって良い栄養となります。その際、長時間外に放置して水分過多にならないよう気を付けましょう。
水やり後や雨水に当てた後は、鉢の中が蒸れないよう受け皿の水は必ず捨てるようにしましょう。

日当たりのポイント

原産地では他の植物が作る木陰で自生しているため適度な日光を好みます。直射日光は葉焼けなど病気の原因になるので気をつけましょう。
梅雨の時期は少ない晴れたタイミングに日当たりの良い窓際に置いて、レースのカーテンやすだれで直射日光を遮った柔らかい日光に当てると良く育ちます。

最適な温度とは?

20℃〜25℃程度が保つのが理想で、最低でも10℃以上は必要です。

気を付けたい湿度

70%程度が理想です。梅雨の時期は常に湿度が高い為胡蝶蘭には適していますが、根や土の乾きが悪く鉢の中が蒸れやすくなり、1年の中で最も根腐れや細菌による病気を起こしやすくなる時期でもあります。
特に根腐れは、胡蝶蘭を枯らしてしまう最も多い原因です。
根腐れや細菌の繁殖などを起こさないために、できるだけ風通しの良い涼しい場所に置きましょう。贈り物でいただいた胡蝶蘭にはラッピングが施してあることが多いですが、できるだけすぐに外して風を通しやすくしてください。
エアコンや扇風機の風は胡蝶蘭を傷める原因となるため注意が必要です。

 

梅雨の時期に気を付けたいこと

水のあげすぎに注意!

乾季のある熱帯地方に自生する胡蝶蘭は、水分保持能力が高いです。そのため水をあげすぎると水分過多となり根が吸収しきれず根腐れを発症しやすくなります。
自然のミネラルを含む雨は栄養となりますが、量や頻度によっては株を弱らせる原因になることもあるため適度にあててあげましょう。
少しだけ雨にあてるだけのつもりが、うっかり長時間あててしまったなんてこともあるかもしれません。
もし、多量の雨にあててしまった場合は、まずはすぐに鉢の下の受け皿に溜まった水を捨てて鉢の通気性を確保しましょう。そして風通しの良い場所に移動させて、植え込み材が完全に乾くまで水やりは控えてください。
屋外に置きっぱなしにしてしまい短期間で何度も雨に濡れてしまったときなどは、植え込み材や根元・葉に異変や異臭がないかこまめにチェックし、異常が見られた場合は植え替えをすることをおすすめします。

直射日光に長時間当てる

梅雨の時期の晴れの日は貴重で、できるだけそのタイミングで日光に当てたいところですが、6月の日光は冬や春に比べてかなり強くなっているため注意が必要です。強い日光を当て続けると、葉が焦げたように黒くなったり、色素が抜けて白っぽくなったりする葉焼けを起こしてしまうかもしれません。一度焼けてしまった葉は元には戻りません。
レースカーテンやすだれなどを使用して直射日光を遮断し、優しい日の光を当ててあげるようにしましょう。

肥料の与え過ぎ

暖かくなりぐんぐん生長する姿を見ると肥料をあげたくなるかもしれませんが、肥料のあげすぎは栄養過多となりかえって胡蝶蘭を枯らしてしまう原因になります。
基本的には肥料を必要としない植物ですが、株の成長を促進させたり次の花付きを良くしたいという場合は、3,000~5,000倍に薄めたラン用の液体肥料を1~2週間に1回程度与えます。
肥料を与える場合、水やりは必要なくなります。肥料も水やりと同様で、植え込み材が乾燥したら与えてください。
胡蝶蘭にとって肥料は、弱っている株を元気にするためのものではなく元気な株の成長を助けるために与えるものですので、弱っているときは与えないようにしましょう。

 

胡蝶蘭の植え替え方法

植え替えは必要?

最適な環境であれば50年以上、家庭でもうまく管理をすれば10年ぐらいは生きるといわれていますが、環境が合っていなかったり、何らかの原因でかかってしまった病気が進行すると枯れしまう可能性があります。
また、胡蝶蘭が根を張る植え込み材は何十年も長持ちはせず、数年経つと腐って黒く変色したりカビが生えてしまうことがあります。
病気が悪化する前に防いだり、植え込み材の腐食やカビの影響を受けて弱ったり枯れたりするのを防ぐために、植え替えは必要です。

植え替えの頻度

頻繁に行う必要はなく、状態が良い胡蝶蘭であれば3~5年に一度行いましょう。

どんなときに植え替える?

花が咲き終わり鉢の大きさに対して株が大きくなりすぎているものや、植え込み資材が傷み新しいものに替える必要があるもの、病気の兆候が見られるものは植え替えを行いましょう。

植え替えに最適な時期

胡蝶蘭が休眠状態に入る冬は株の体力を奪ってしまうため植え替えには不向きで、少しずつ暖かくなる4月〜6月が最適です。特に暖かく湿度も比較的高い梅雨は、植え替えをする最適な時期といえます。
葉や根が枯れたり変色が起こったりなど病気の兆候が見られたり、植え込み材がカビっぽい臭いがした場合はこの時期に限らず早めに植え替えを行ようにしましょう。
3本立ちや5本立ちの場合は、1本ずつに分けて植え替えをしてあげると栄養が行き渡りやすくなり、夏に向けてのびのびと育っていきます。

 

初心者でもできる植え替え方法

必要な道具の準備

植え替えを行うには以下の3つの道具が必要です。

・園芸用ハサミ
ハサミはライターの火で刃先をあぶり消毒しておきます。

・植え込み材料
土は根腐れが起こりやすい為、植え替えの際には「水苔」や「バーク」を使用します。
バークを使用する場合、ポリポットも用意します。

・新しい鉢
通気性の良い「素焼き鉢」がおすすめです。病気が伝染しないように新しい鉢を使用しましょう。

 

植え替え手順

1.ハサミを使用し花芽を取り除く

ゆっくり成長を楽しみたい場合は根元から、早く花が咲いて欲しい場合は生えているところから数えて3番目にある節の2センチくらい上を切ります。3番目の節は新しい花芽がでることが多いので、間違えて切らないように注意しましょう。

2.鉢から株を取り出し、根についている植え込み材を取り除く

根を丁寧に手でほぐしながら取り除きます。その際は根を傷付けないように注意しましょう。
株が取り出せたら、根を傷めないよう注意しながら絡みついている古い水苔やバークをきれいに取り除きます。黒っぽく変色していたりブヨブヨしている傷んだ根は根元からハサミで切り落とし、元気な根だけを残します。
根腐れをした箇所を切ったハサミは消毒が必要です。そのまま植え替えを続けると、ほかの箇所に根腐れが移る可能性があります。根腐れに触れた手袋なども消毒をするか清潔なものに交換するのが望ましいです。
黄色く変色してしまっている葉があればそれも切りましょう。切った葉は、傷口からばい菌が入る軟腐病を防ぐためにハイターを塗ることをおすすめします。

3.水苔使用の場合

水で湿らせた新しい水苔をボールのように丸めて、その上に根をかぶせます。そして外からも水苔を巻き付け根が水苔の中心に来るようにします。その後、根を傷付けてしまわないように優しく鉢にギュッと押し込みます。株を持ち上げても鉢が落ちなければ完了です。

4.バーク使用の場合

バークをひとつかみビニール製のポリポット鉢に入れて、固形肥料を入れます。その上に再度バークをひとつかみ入れます。
株をポリポットの真ん中に入れて、隙間のないように周りにバークを敷き詰めます。
ポリポット自体を鉢に入れたら完了です。
肥料が根に直接触れてしまうと傷んでしまうため、肥料は必ずバークで覆うようにしましょう。

 

植え替え後のケア

水やりは控える

植え替え後の根は少し休憩させてあげるのが望ましいです。切った部分から病気になってしまう可能性があるため、植え替えてから2~3週間ほどは控えましょう。植え替え後初めての水やりは、コップ1杯くらいの常温の水をあげてください。

肥料は与えない

植え替え直後の肥料は負担となり逆効果です。

病気に注意!

植え替え後の胡蝶蘭は抵抗力が弱まりとてもデリケートです。植え替え直後はこまめに様子をチェックしましょう。

自宅にも胡蝶蘭を

開店祝いや就任祝いなど、企業間でのお祝いで贈られるイメージの胡蝶蘭ですが、花持ちがよく管理が簡単なことなどから、自宅用や個人ギフトにもおすすめです。
大きなものだけではなく、小さくて可愛らしいサイズのミディ胡蝶蘭もあります。
大輪の胡蝶蘭のお花の大きさが約12cmなのに対しミディ胡蝶蘭は5~8cm程度なので、コンパクトでちょっとしたスペースにも飾りやすいです。
梅雨の時期は気分が落ち込むことも多いですが、自宅に美しい胡蝶蘭があれば明るく前向きな気持ちにさせてくれます。

自宅でも楽しめる胡蝶蘭

 

ミディ胡蝶蘭 3本立ち アマビリス

胡蝶蘭の「幸福が飛んでくる」という花言葉は、ひらひらと蝶が舞うような胡蝶蘭の花姿からきたもののようです。
コンパクトな胡蝶蘭ですので、ご自宅に贈る際におすすめの胡蝶蘭です。可愛らしいサイズ感ですが大輪胡蝶蘭と同じような華やかさがあります。

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ミディ胡蝶蘭 5本立ち アマビリス

小ぶりな胡蝶蘭ですが5本立ちとなると存在感が際立ちます。花持ちが良いため自宅で長期間美しい胡蝶蘭を楽しむことが出来ます。ご自宅用、個人ギフトにはもちろん、置き場所に困ることが少ないので、省スペースなお店や事務所などでも飾りやすいサイズです。

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まとめ

今回は、梅雨の時期の胡蝶蘭の管理方法を紹介しました。
暖かくなって胡蝶蘭がぐんぐん育つ時期ですが、その時期に合った適切な管理をすることが胡蝶蘭を長く楽しむためにはとても大切です。必要であれば胡蝶蘭がいい環境で過ごせるよう植え替えを行うとさらに長生きしてくれます。
難しいお手入れは不要で、ポイントを押さえるだけで元気な株に育ち、また来年きれいな花を咲かせてくれることでしょう。
梅雨の時期をうまく乗り越えて、健康な株で夏を迎えましょう!